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2022.11.24
「インナーバルコニー」とは、建物の内部にあり、家の一部がバルコニーになっている形状のこと。「インナーテラス」とも呼ばれます。インナーバルコニーはおしゃれで開放的なため、人気が高まっています。そこで、インナーバルコニーを取り入れるメリット・デメリットを紹介します。
バルコニー、ベランダとの違いとは?
インナーバルコニーと似た言葉に「バルコニー」と「ベランダ」があります。3つはよく混同されてしまいがちですが、明確な違いがあります。いずれも基本的に2階以上にあるのが一般的で、建物から外に張り出しているのがベランダとバルコニーです。違いは屋根の有無で、屋根があるのがベランダ、屋根がないのがバルコニーです。
ちなみに、1階にある場合は通常「テラス」と呼ばれます。そして、インナーバルコニーは、名前の通り建物の内部にあり、建物と一体化したバルコニーです。建物内にあるので必然的に屋根があり、建物から張り出しているバルコニーよりも外観が
すっきり見えるという特徴があります。
インナーバルコニーのメリット1:屋根があるので天候に左右されずに外空間を楽しめる
雨を気にしなくても良いので、ソファも置けます
インナーバルコニーはおしゃれなだけではなく、普段の生活のなかでもとても便利に使えます。その1つが、天候に左右されることなく外の空間を楽しめることです。
インナーバルコニーは建物の内部にあるので、屋根があります。ある程度の奥行きがあれば、雨に濡れることもないでしょう。そして、洗濯物や布団を干すときも安心です。近年、夏から秋にかけて突然の雨に降られることも多く、積雪の多い地域では冬場はなかなか外で洗濯物が干せません。屋根があるインナーバルコニーであれば、広々とした空間で天候を気にせず洗濯物を干せるでしょう。
また、ガーデンソファなどを置く場合も雨や紫外線で傷むのを防げます。アウトドアグッズ置き場にすることもできるので、使い道が広がります。
インナーバルコニーのメリット2:プライバシーが守られる
戸建てを購入するときには庭を作り、休日には子どもをプールで遊ばせたり、家族でピクニック気分を味わったりして楽しみたいという人も多いでしょう。しかし、気になるのが周囲からの視線です。道路や歩道に面している庭やテラスで遊んでいると、どうしても歩行者や近所の人からの視線が気になってしまいます。庭を囲うように植栽を植えたり、塀を作ったりすることもできますが、せっかくの開放的な空間が閉ざされてしまうことに。
この問題を解決できるのが、インナーバルコニーです。インナーバルコニーは2階以上にあるため、開放的でありながら外からの視界をさえぎることができます。プライベートな家族だけの空間で人目を気にせず楽しめます。
インナーバルコニーのメリット3:開放的な空間を演出
インナーバルコニーは、建物内にありながら屋外のような開放感を演出できます。屋外と室内を結びつけるようなシームレスな空間になり、そこに住む人に広々とした印象を与えます。
インナーバルコニーをリビングに隣接させれば、屋内にある庭のような感覚に。気候のいい日にはリビングの窓を開けることで、開放的な空間を満喫できます。ほかにも、インナーバルコニーに観葉植物や四季の花々を飾り、自然を身近に感じながら生活するのも素敵ですね。イスやテーブルを置いて、やわらかい風や暖かい日差しを感じながらランチを楽しむのも良いでしょう。室内空間にはない非日常感を味わうことができますよ。
インナーバルコニーのメリット4:趣味を楽しむ空間として使える
インナーバルコニーは、庭と屋内の2つの顔があり、さまざまな活用方法があります。このプライベートな空間で、趣味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
子どもと一緒にプランターでガーデニングや野菜を育ててみるのも楽しいですし、風が気持ちのいい日にはソファを置いて読書をしたり、夜は星を見ながらお酒を楽しんだりと、さまざまな使い方ができます。
インナーバルコニーで子どもを遊ばせ、室内からその様子を見守りつつ家事をこなすこともできるでしょう。また、リビングと隣接している場合、リビングの延長としても使用できます。大勢の来客があるときは窓を開放し、リビングとひと続きにしてしまえば空間を広く使え、ホームパーティも楽しめます。
インナーバルコニーのデメリット1:通常のバルコニーより費用がかかる
インナーバルコニーはおしゃれで開放感があり人気の間取りですが、デメリットもあります。
その1つが、設置費用が高額である点です。インナーバルコニーを設置する際、通常のバルコニーよりも約2倍の費用がかかるといわれています。その理由は、通常のバルコニーにはない屋根が必要になるためです。屋根のぶんの施工費がかかるため割高になってしまうのです。
さらに、インナーバルコニーの階下には居室があります。そのため、断熱材や防水工事が必要になります。インナーバルコニーが広ければ広いほど、費用が高額になってくるため、施工前に本当に必要な広さかどうか十分に検討する必要があるでしょう。
インナーバルコニーのデメリット2:延床面積に含まれる
延床面積とは、住宅全体の面積のことで、各階の面積を合計したものです。2階建ての住宅であれば1階と2階の面積を合わせたものになります。
奥行きの狭いベランダや通常のバルコニーは延床面積に含まれませんが、インナーバルコニーは延床面積に含まれる場合がほとんどです。バルコニーの延床面積に含まれる条件とは、「バルコニーの奥行きが2メートルを超える部分」「屋内用途として使用されている場合」「天井高が2.2メートル未満 かつ手すりの高さが天井高の半分以上ある場合」になります。
ほとんどのインナーバルコニーは屋内用途として使用され、奥行きが2メートルを超える場合が多くなります。そのため、インナーバルコニーは延床面積にカウントされるケースが多いのです。
では、インナーバルコニーが延床面積に含まれることで何が困るのでしょうか。それは、固定資産税の額に影響を及ぼすことです。固定資産税とは、建物や土地を所有している人が支払う税金です。基本的には、「固定資産評価額×標準税率1.4%」で算出されます。
この固定資産評価額とは、自治体が家や土地の価値を評価した値のこと。建築基準法に基づき、延床面積は固定資産税の課税対象になります。つまり、延床面積が大きければ大きいほど税額が高くなるのです。
インナーバルコニーは施工費用も高いうえ、納める税金も増える可能性が高くなるため、設置する際には気を付けましょう。
インナーバルコニーのデメリット3:採光が遮られることも
インナーバルコニーは明るく開放的な空間が魅力です。インナーバルコニー自体は採光が取れることが多いのですが、ほかの部屋の採光が遮られてしまう恐れがあります。というのも、インナーバルコニーには屋根が必要であり、その屋根の部分が影になってしまう場合があるのです。
隣接する部屋が寝室や浴室など、あまり採光が確保できなくても問題ない部屋であれば大丈夫ですが、リビングや子ども部屋などが隣接する場合は明るいほうがいいですよね。インナーバルコニーとリビングとひと続きにして広く使いたいという人も多いでしょう。
南側をリビングにすれば、基本的に日当たりがよく明るくなります。しかし、屋根のあるインナーバルコニーの影で部屋が暗くなることも。せっかく広く明るいリビングにしようとしたのに、採光が取れず、奥にあるリビングが暗くなっては本末転倒です。
時間帯によっては隣接する部屋が暗くなってしまうことがあるので、採光が十分に確保できるか計算する必要があります。それには、インナーバルコニーそのものの大きさを変更する方法も1つ。
また、隣接する部屋の窓の配置で解決する方法もあります。天窓を設置したり、窓の大きさを工夫したりすれば、採光を確保することが可能です。日当たりが悪いと思いのほかストレスに感じてしまう人も多いもの。住宅を建ててから後悔することのないように、十分な採光が確保できるか確認しましょう。
開放的でおしゃれなインナーバルコニー。リビングとつなげることで部屋を広く見せることも可能です。また、急に雨が降ってきても屋根があるので安心。洗濯物や布団を干すスペースにも適しています。
休日は気持ちのいい風を感じながらランチをしたり、コーヒーを片手に本を読んだり。家族だけの特別なプライベート空間になります。インナーバルコニーを取り入れることで、きっとワンランクアップの生活が実現しますよ。