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2023.12.22
外壁タイルは、高級感があり耐久性にも優れているため、多くの住宅で採用されています。
しかし、見た目の美しさだけで選んでしまうと、後になって思わぬトラブルが発生することもあります。
この記事では、外壁タイルのデメリットやよくあるトラブル事例、原因と対策、代替素材の選び方までをわかりやすく解説します。
これから外壁リフォームや新築を検討している方は、施工前にぜひ知っておくべき情報です。
このセクションでは、外壁タイルの代表的なデメリットについて紹介します。施工を検討している方は、メリットだけでなくマイナス面も正しく理解することが重要です。
外壁タイルは、長期間経過すると接着力が弱くなり、タイルが落下する危険性があります。特に、接着剤の劣化や施工時の不備がある場合は、そのリスクが高まります。
万が一、タイルが人や車に当たった場合、事故や損害につながることもあるため、注意が必要です。
外壁材の中でもタイルは重量があるため、1枚でも落ちると大きな被害になる可能性があります。
定期的な点検や早期の修理対応が、タイル落下のリスクを軽減するポイントです。
外壁タイルは、素材自体が高価であることに加え、施工にも専門技術が必要なため、初期費用が高くなる傾向にあります。
一般的なサイディング材やモルタル外壁と比べて、1㎡あたりの単価が高く、全体のコストにも大きく影響します。
ただし、長期的にはメンテナンスの回数が少なく済むため、トータルコストで見るとメリットもあります。
費用と耐久性のバランスを見ながら、事前にしっかりと検討することが大切です。
タイル外壁は、硬くて割れにくい反面、地震による建物の揺れに対応しきれないことがあります。
特に、揺れが激しい地域では、タイルが剥がれたり、ひび割れたりするケースもあります。
これは、タイルが下地に強く固定されているため、柔軟性がない構造だからです(現在は工法の変化により、柔軟性がある工法も出てきました)。
耐震性を高めるには、接着材の種類や施工方法に工夫が必要です。
実際に発生した外壁タイルのトラブル事例を紹介します。リアルな事例を知ることで、施工前のリスク回避につながります。
新築後わずか10年も経たないうちに、外壁タイルの一部が剥がれ落ちたという事例があります。
原因は施工時の接着不良で、施工会社が使用した接着剤の性能不足や、作業中の湿度・気温の管理ミスが原因でした。
このようなトラブルは、施工業者の経験不足や知識不足が影響している場合が多く、選定ミスがトラブルを招いたといえます。
施工業者選びの重要性を再認識させられる事例です。
タイル外壁の隙間から水が侵入し、室内に雨漏りが発生したという報告もあります。
外見上は問題がなくても、下地とタイルの間にわずかな隙間ができることで、雨水が侵入してしまうのです。
雨漏りは内部構造の腐食にもつながり、修復が大がかりになりやすいです。
定期的な外壁チェックや、防水処理の確認が不可欠です。
外壁タイルの部分的な修理でも、足場の設置や特殊な施工が必要になるため、高額な費用がかかることがあります。
例えば、タイル数枚の剥がれを修理するだけでも、数十万円の費用が発生したという声も。
これは、施工面積が小さくても、仮設工事や職人の技術料が必要になるためです。
メンテナンスの費用負担も含めた計画が必要になります。
タイル外壁に起こるトラブルやデメリットには、必ず原因があります。ここでは代表的な要因を解説します。
外壁タイルの剥がれの主な原因のひとつが、下地とタイルがしっかり接着されていないことです。
接着剤の塗布量が不十分だったり、乾燥時間が守られていないと、施工後に剥離しやすくなります。
また、下地の材質や凹凸によっても接着力が大きく左右されます。
正しい施工手順を守ることが、長持ちする外壁タイルを実現するポイントです。
施工業者のスキルや経験も、外壁タイルの耐久性に大きく関わってきます。
経験の少ない業者が施工した場合、接着不良や目地処理のミスなど、細かいミスが積み重なってトラブルの原因になります。
また、気温や湿度による施工タイミングの判断も、熟練した職人でないと難しいものです。
業者選びの際は、必ず施工実績や資格の有無を確認しましょう。
どんなに丁寧に施工されても、時間の経過とともに外壁は劣化します。
タイル自体は耐久性がありますが、接着剤や目地材は紫外線や雨風によって劣化していきます。
また、建物全体の歪みや揺れによってもタイルに負荷がかかることがあります。
経年劣化に備えて、定期的なチェックと適切なメンテナンスが欠かせません。
外壁タイルのデメリットを完全に避けることは難しいですが、適切な対策を講じることで大きなトラブルは防げます。ここでは、効果的な予防策をご紹介します。
もっとも確実な対策は、信頼できる施工業者を選ぶことです。タイル外壁は専門性の高い工事であり、誰でもできるわけではありません。
施工実績の多い会社であれば、過去のトラブル例を把握しており、最適な材料や施工方法を選択してくれます。
業者選びの際は、実際の施工写真や口コミ、施工保証の有無などをしっかり確認しましょう。
また、できれば複数社から相見積もりを取って比較検討することをおすすめします。
外壁タイルは「メンテナンス不要」と言われがちですが、実際には定期的な点検が非常に重要です。
目視でのタイルの浮きやひび割れの確認、シーリング部分の劣化チェックを最低でも5年に一度は行いましょう。
小さなひびや浮きであっても、そのまま放置すると重大な雨漏りや落下事故に繋がる可能性があります。
問題が小さいうちに対応することで、修理費用も最小限に抑えられます。
タイルの落下やひび割れを防ぐためには、施工時に弾性接着剤や弾性目地材を使用することが効果的です。
これにより、地震や建物の微細な動きにも柔軟に対応し、タイルへの衝撃を吸収してくれます。
使用する材料の選択は施工業者に任せきりにせず、必ず内容を確認し、自分でも納得した上で決定しましょう。
また、施工時に施工主が材料の指定をすることも可能なので、不安がある場合は事前に相談するのがおすすめです。
タイル外壁を選ぶ際には、デメリットを理解した上で、後悔のないよう慎重に選びましょう。以下のポイントを押さえることで、より安全で長持ちする外壁になります。
外壁タイルにはいくつかの種類がありますが、代表的なのが「磁器質」と「せっ器質」です。
磁器質は非常に硬く、水をほとんど吸わないため耐久性が高く、外壁に適しています。
一方、せっ器質は若干水を吸いますが、表情が豊かでデザイン性に優れている点が特徴です。
目的や好みに合わせて、適切な種類を選びましょう。
外壁タイルは万が一トラブルが発生した際、修理費用が高額になる可能性があります。
そのため、施工後の保証制度がしっかりしている業者を選ぶことが重要です。
保証期間は業者によって異なりますが、10年保証が一般的です。保証内容にタイルの剥離やひび割れが含まれているかも確認しましょう。
書面での契約書や保証書の発行も忘れずに。
実績豊富な業者ほど、施工の品質が安定しており、トラブル発生率も低い傾向にあります。ホームページで施工事例が掲載されているか、実際に見学できるモデルハウスがあるかもチェックしましょう。また、同じような住宅構造や地域での施工経験があるかも重要なポイントです。
地域密着型の業者であれば、アフターサービスも受けやすく安心です。
タイルの見た目や性能には魅力を感じるけど、デメリットが気になる…という方のために、代替となる外壁材を紹介します。
現在の住宅で最も多く使われている外壁材が「窯業系サイディング」です。
デザインのバリエーションが豊富で、タイル調のデザインも多く、外観の美しさを保ちつつコストを抑えられます。
施工費用が安く、軽量で扱いやすいため、リフォームにも向いています。
ただし、定期的な塗装メンテナンスが必要な点は理解しておきましょう。
モルタルは職人がコテで仕上げる外壁で、唯一無二の質感やデザインが魅力です。
重厚感や高級感があり、デザインの自由度が非常に高いのが特徴です。
ただし、ひび割れが生じやすいため、ひび割れ防止の施工や塗装などのメンテナンスが必要です。
タイルとは異なる「職人の技」が楽しめる外壁材として人気があります。
近年注目されているのが、軽量で耐久性の高い「ガルバリウム鋼板」です。
金属素材でありながら、サビに強く、耐久年数が30年近くあるのも魅力です。
デザインもスタイリッシュで、モダン住宅や店舗などでも多く採用されています。
初期費用も比較的抑えやすく、断熱材と組み合わせれば快適性も高まります。
ここでは、外壁タイルについてよくある疑問をQ&A形式でまとめました。
タイル自体の寿命は30年〜50年と非常に長いですが、目地材や接着剤は10〜20年程度で劣化します。
そのため、目地の補修や部分的な張り替えなど、定期的なメンテナンスは必要になります。
タイルの種類や施工方法によっても寿命は変わるため、事前に業者に確認することが大切です。
タイルの落下部分を自分で補修するのは非常に危険で、難易度も高いです。
特に高所作業は足場が必要であり、無理に作業すると事故につながる可能性も。
必ず専門の施工業者に相談し、正しい方法で修理を依頼するようにしましょう。
現在では、地震に強い弾性接着剤を使った施工方法や、柔軟性のあるタイル製品も登場しています。
従来の硬いセメント系接着剤よりも地震に強いため、耐震性を重視する方にはおすすめです。
また、タイルの形状や大きさによっても耐震性能は異なるため、設計段階での相談が大切です。
一般的には、サイディングの方が初期費用が安いです。タイルは高価な素材に加え、施工技術も必要なため高くなります。
ただし、長期的なメンテナンスコストまで考慮すると、場合によってはタイルの方がコストパフォーマンスが良くなることもあります。
予算と将来的な維持費用のバランスを見て選びましょう。
外壁タイルは、美しさと耐久性を兼ね備えた魅力的な外装材ですが、その反面、落下のリスクや初期費用の高さ、地震への弱さなどのデメリットも存在します。
こうした課題を理解し、信頼できる業者選びや定期的なメンテナンスを心がけることで、安全に長持ちする外壁に仕上げることができます。
また、代替素材や保証制度など、さまざまな選択肢もあるため、情報収集をしっかり行い、自分に合った選択をしましょう。
後悔しないためには、「知っておくこと」と「備えること」が何よりも大切です。